
自社のガバナンスを強化!|根拠のある役員選任と早期育成を叶える方法【役員研修・選任・育成ガイド】
役員の選任や育成は、企業の未来を大きく左右する重要課題です。近年は、コーポレートガバナンス・コードの改訂を背景に、取締役会には経営戦略と人的資本戦略を一体的に監督し、サクセッションプランを適切に運用することがこれまで以上に求められる中、多くの企業から次のような課題が聞かれます。
「社内から推薦された人材が、本当に役員にふさわしいか判断が難しい」
「経営層や役員候補がスキルや知識を補う機会を、どのように提示すればよいか分からない」
「経営トップに“役員研修の必要性”を納得させる材料が欲しい」
こうした課題を解決する鍵となるのが、アセスメントによる客観的な適性評価と、研修・eラーニングを組み合わせた役員候補者の早期かつ計画的な育成です。
本記事では、
· 役員の選任・育成が求められる背景
· 役員としての適性確認と、候補者の推薦や選任に使えるアセスメント
· 早期育成を可能にする研修・コーチング・eラーニング
についてご紹介します。
貴社の役員候補者の選任や育成における客観性・透明性の高いプロセス構築の一助となれば幸いです。
目次[非表示]
- 1.役員候補者の選任における課題|社内推薦だけでは不十分な理由
- 1.1.経験や実績だけで判断してしまうリスク
- 1.2.推薦プロセスの透明性不足
- 1.3.選任根拠を示せないことによるリスク
- 2.役員としての“ふさわしさ”はどう見極めるのか
- 2.1.役員が備えるべき知識と資質とは?
- 2.1.1.役員が備えるべき必須の知識
- 2.1.2.役員が備えるべきパーソナリティ・態度
- 3.経営層・役員候補者の育成|候補者育成と既存役員の学び直しを両立させる
- 4.「アセスメント」で自社の役員としての“ふさわしさ”と“根拠”を可視化する
- 5.ガバナンス強化に直結する役員の選任と育成を成功に導くプロセス ― 外部リソースの活用
- 5.1.【STEP1 選任】アセスメントで選任の根拠と育成方針を明確にする
- 5.2.【STEP2 育成】eラーニングで役員に必要な基礎知識を体系的に学ぶ
- 5.3.【STEP3 実践】研修(公開講座)で意思決定力と実行力を高める
- 5.4.【STEP4 定着】現場での実践と継続的な改善サイクルを回す
- 6.【ご提案例】 企業規模×地域性のベストプラクティス
- 6.1.大企業(首都圏)の場合:ガバナンスの高度化を求められる上場企業向けご提案
- 6.2.中堅企業(地方)の場合:事業承継や次世代リーダー育成を見据えたご提案
- 6.3.中小企業(首都圏・IPO準備中)の場合:ガバナンス体制を早期整備するご提案
- 7.まとめ
役員候補者の選任における課題|社内推薦だけでは不十分な理由
多くの企業担当者が直面するのが「社内から推薦された候補者が、本当に役員としてふさわしいのか」という判断の難しさです。具体的には、次のような課題があります。
経験や実績だけで判断してしまうリスク
優れた事業部門長であっても、取締役会で求められるのは全社戦略や長期的視点に基づく意思決定です。「現場をマネジメントする力」と「企業全体を俯瞰し監督する力」は性質が異なるため、実績だけで判断するとギャップが生じやすいのです。
推薦プロセスの透明性不足
「上司からの信頼が厚い」「社内での影響力が大きい」といった経験や印象に左右された理由だけで推薦されると、選任の客観性が担保できません。株主やステークホルダーからの説明責任を果たすためにも、透明なプロセス設計が欠かせません。
選任根拠を示せないことによるリスク
「なぜこの人が自社の役員としてふさわしいのか」を明確に説明できないと、取締役会や指名委員会での信頼性や納得感が損なわれます。特に上場企業やIPO準備企業では、投資家から選任プロセスの妥当性を問われるケースが増えています。
こうした課題を解決する有効な手段の1つが、アセスメントを活用した客観的な評価です。
役員としての“ふさわしさ”はどう見極めるのか
役員候補者の推薦・選任において最大の課題は、「ふさわしさをどう客観的に判断するか」です。経験や実績は重要な判断材料ですが、それだけでは役員としての適性を十分に判断することはできません。
社内だけでなく、株主や投資家など社外のステークホルダーからの納得を得るには、「誰を、なぜ選任したのか」を客観的なデータや根拠をもって説明することが不可欠です。
役員が備えるべき知識と資質とは?
当社の提携先でもある公益社団法人 会社役員育成機構(The Board Directore Training Institute of Japan:以下、BDTI)では、「一人ひとりの役員力と健全な組織体制の強化を支援し日本経済の成長に寄与することを目的とする」を使命として2009年に設立された団体です。
設立者のニコラス・ベネシュ氏は、2013年から2014年にかけて自民党に対してコーポレートガバナンス・コードを提唱し、金融庁にも内容面で助言を行うなど、日本のコーポレートガバナンス改革に深く関わってきました。
こうした知見を基に、BDTIでは、役員が備えるべき知識と資質を以下のように整理しています。
役員が備えるべき必須の知識
会社法 | コーポレートガバナンス・コード |
金融商品取引法 | 財務諸表分析 |
ファイナンス | 業界知識 |
役員が備えるべきパーソナリティ・態度
哲学・倫理観 | クリティカル・シンキング |
慎重さ | 言うべきことを言える |
アクセシブル | 独立性、客観性 |
学習意欲(謙虚さ) |
近年はこれらの知識に加え、人的資本経営やサステナビリティ、経営戦略と人的資本戦略の連動など、企業価値向上に直結するテーマへの理解も、役員に求められています。
経営層・役員候補者の育成|候補者育成と既存役員の学び直しを両立させる
コーポレートガバナンスを強化するためには、制度やルールを整備するだけでは十分ではありません。実際に意思決定を担う経営層や役員候補者が、ガバナンスに関する知識や視点を備え、取締役として適切に役割を果たせる状態をつくることが重要です。
PwCによるコーポレートガバナンスに関するアンケート調査でも、経営層のガバナンス理解を実効に結び付ける方策の必要性が指摘されています。
[PwCによるコーポレートガバナンスに関するアンケート調査より 一部抜粋]*3
・形式ばかりで実態が伴っていない経営者が多い。(中略)トップの公的な場でのガバナンスに関する発言と会社の開示が一致していない例もある
・コーポレートガバナンスについて、研修やシンポジウム等に参加するのは主にCFOや監査役等、財務・管理担当など。本来コーポレートガバナンスを理解し、実践するのはトップ経営者であり、経営層にいかにコーポレートガバナンスを浸透させるか、何らかの方策を講じる必要がある。
そのため、役員育成は「就任後に必要な知識を身につける」のではなく、候補者段階から計画的に行うことが求められます。就任前からガバナンスや経営に関する知識・視点を養い、役員として求められる役割や責任への理解を深めることで、就任直後から適切な意思決定や監督機能を発揮しやすくなります。
早期育成と学び直し|eラーニングで体系的な学習を始める
役員候補者の育成だけでなく、既任役員についても、法令改正やコーポレートガバナンス・コードの見直し、経営環境の変化に対応するため、継続的な学び直しが欠かせません。
しかし、役員候補者となる幹部社員も既任役員も、多忙な業務の中でまとまった学習時間を確保することは容易ではありません。
そこで有効なのが、時間や場所を選ばず学習できるeラーニングです。候補者には就任前教育として、既任役員には知識のアップデートやリスキリングの手段として活用できるため、それぞれの役割や習熟度に応じた、継続的な学習を無理なく進められることから、多忙な経営幹部や役員候補者にも取り入れやすい学習方法といえます。
例えば、候補者段階から優先的に身につけておきたい知識として、以下のようなテーマが挙げられます。
- コーポレートガバナンス:
形式的な理解にとどまらず、取締役会で実効性のある議論や適切な監督を行うための知識と視点 - 会社法・金融商品取引法:
役員として果たすべき法的責任やリスクを正しく理解し、コンプライアンス違反や法的リスクを未然に防ぐための知識 - 財務・会計・ファイナンス:財務諸表や経営指標を正しく読み解き、経営判断や投資判断を適切に行うための知識
- ESG・人的資本経営:中長期的な企業価値向上や投資家との建設的な対話を実現するために必要な知識
こうした学びを候補者段階から計画的に進め、既任役員についても継続的に知識をアップデートすることで、取締役会全体の実効性向上や、企業のガバナンス基盤の強化につながります。
<ご参考>
役員教育のためのeラーニング 『BDTI取締役入門』
こうした知識を体系的かつ効率的に習得する手段として、eラーニングの活用は非常に有効です。
当社がBDTIとの提携によりご提供する eラーニング 『BDTI取締役入門』は、役員および役員候補者に必要な基本知識を体系的に学べる講座で、以下の4つのコースで構成されています。
会社法
金融商品取引法
コーポレートガバナンス(基礎編)
コーポレートガバナンス(実践編)
この4コースを通じて体系的に学ぶことで、役員候補者は最低限の基礎知識を習得するだけでなく、取締役として求められる役割や責任への理解を深め、実効性のある議論に貢献できる力を養うことができます。
詳細はこちら: https://bm.cicombrains.com/contents/bdti
企業経営に必要な基礎知識を学べる映像教材 『MBA基礎』
企業経営に必要となる知識や思考力、フレームワークを映像教材による学習で身に付けることができます。
詳細はこちら: https://bm.cicombrains.com/video/theme/skills-mba
管理職・候補者の経営知識レベルを測定できる『経営リテラシーテスト』
管理職に求められる経営知識として、「経営戦略」「マーケティング」「会計・財務」「論理的思考」の4領域の知識レベルを測定することができます。
「経営リテラシーテスト」は、30年以上にわたる企業研修・教育支援実績からの当社ノウハウを基に、当社とつながりある専門家監修により開発したオリジナルのオンラインテストです。現状の経営知識レベルを測定し、結果をデータで客観的に評価できるので、社員の能力開発や育成施策の立案、昇格試験など多くの場面でご活用いただいております。
詳細はこちら:
https://bm.cicombrains.com/assessment/mgt-literacy
「アセスメント」で自社の役員としての“ふさわしさ”と“根拠”を可視化する
役員には、専門知識や実績だけでは測り切れない人格的・行動的な要件も求められますが、こうした要件を客観的に評価することは、面接や実績評価だけでは容易ではありません。
例えば、『ホーガン・アセスメント』は、45年以上にわたってパーソナリティ・データを蓄積し、リーダーシップ開発のために世界中で活用されているアセスメントです。長年にわたり蓄積されたデータを基に、役員としての成果発揮に影響する特性を客観的に測定できることが特長です。
こうした信頼性の高いアセスメントを活用することによって、役員としての成果発揮に影響する以下のような特性を科学的に測定し、その結果を客観的な根拠として、推薦・選任の妥当性を説明できるようになります。
- 判断力・戦略性: 複雑な状況で最適解を導く思考力
- リスク感度: リスクを正しく認識し、回避・対応できる力
- リーダーシップ特性: 影響力、対人スキル、チームワーク
- 潜在的な課題傾向: ストレス下で現れる弱点や偏り
さらに、ホーガン・アセスメントでは、世界190ヵ国で蓄積されたデータとの比較により、日本人とグローバル企業の経営人材・幹部社員等との比較レポートを得ることも可能です。
ホーガン・アセスメントの特徴
- 45年以上の研究に裏付けられたパーソナリティ・アセスメント
- Fortune500企業の75%以上が、採用・リーダーシップ開発に活用
- 1,400万件以上のアセスメント実績とデータを持つ
- グローバル企業の経営人材やマネジャー層とデータの比較ができる
- 世界190ヶ国・50言語で提供(日本語・英語・中国語対応。2026年8月現在)
推薦・選任の透明性を高める「アセスメント・レポート」
たとえば、取締役候補を取締役会や指名委員会へ推薦する際、ホーガン・アセスメントのレポートを添付することで、以下のように客観的なデータに基づき、推薦理由を説明できるようになります。
- 「この候補者はガバナンスに必要なリスク感度が高い」
- 「意思決定において冷静な判断を下せる傾向が示されている」
- 「実績や専門性は十分な人材。慎重に分析する気質も認められるが、ストレス下で過度に感情的になるリスクがあるため、就任後は認定コーチによる支援を通じてセルフマネジメントを強化することが望ましい」
このように、ホーガン・アセスメントは推薦・選任時の客観的な根拠として活用できるだけでなく、認定コーチによるフィードバックセッションを通じて、自身の強みや潜在的なリスクへの理解を深め、その後の役員育成や能力開発に活用できます。
ホーガン・アセスメントで実現できること
推薦・選任の透明性を高める
意思決定者に客観的な根拠資料を提示できる
将来の役員候補者プール形成に活用できる
役員候補者一人ひとりの特性に応じた育成・コーチングにつなげられる
各モジュールの測定項目

当社は、HOGAN ASSESSMENTの代理店であるOptimal Consultants Japan K.K.のアライアンスパートナーとして、同社の日本におけるHOGAN ASSESSMENTの販売を支援しています。
以下の各ページURLからは、ホーガン・アセスメントで得られるレポートの各サンプルをダウンロードいただけます。
詳細等はどうぞお気軽にお問い合わせください。
インサイトレポート: https://www.cicombrains.com/download/r_01
HPI、HDS、MVPIの3つのモジュールから作成されるレポートです。各モジュールによって測定される項目が異なり、各項目に沿って自身の傾向や能力開発のポイントが示されます。それらについて認定コーチとディスカッションを行うことによって、内省を深め、より詳細な洞察を得るとともに、今後の能力開発の方向性について十分に認識することができるようになります。測定の結果は、サイコム・ブレインズの経験豊富な認定コーチによる約1時間のフィードバックセッション(対面またはオンライン)で、結果レポートとともに本人に伝えられます。
リーダーフォーカスレポート: https://www.cicombrains.com/download/r_02
HPIとMVPIの2モジュールの組み合わせにより構成された6つのリーダーシップのスタイルの強弱および行動特性を測定します。自身のリーダーシップスタイルを知ったうえで、より望ましい形で自己を変革させるヒントを与えます。測定の結果は、サイコム・ブレインズの経験豊富な認定コーチから、結果レポートとともに本人に伝えられます。なお、フィードバック方法は個別セッションも可能ですが、グループセッションをお勧めしています。詳細はお気軽にお問い合せください。
ハイ・ポテンシャル・タレント レポート: https://www.cicombrains.com/download/r_03
HPI、HDS、MVPIで構成された「リーダーとしての基本(信頼に足る人物か)」「リーダーとしての認知(影響力があるか)」「リーダーとしての有効性(チームのパフォーマンスを上げられるか)」という3つの側面から測定します。グローバルな経営幹部やマネジャークラスとの比較もあわせてレポートします。測定の結果は、サイコム・ブレインズの経験豊富な認定コーチから、結果レポートとともに本人に伝えられます。なお、フィードバック方法は個別セッションも可能ですが、グループセッションをお勧めしています。詳細はお気軽にお問い合せください。
ホーガン360レポート: https://www.cicombrains.com/download/r_04
対象者の顕在化している行動、態度、パフォーマンス等に対する周囲のフィードバックを集計することによって、対象者の強みや改善点を明確にします。対象者と評価者が「自己マネジメント」「対人マネジメント」「ビジネス遂行」「ビジネス主導」という4つの領域で評価することによって得られるレポートです。HPI、HDS、MVPIの測定結果との組み合わせにより、リーダーシップ開発のためのより包括的なフィードバックが可能となります
『ホーガン・アセスメント』の詳細はこちら: https://www.cicombrains.com/assessment/hogan_assessment.html
次章では「アセスメント+eラーニング+研修をどう組み合わせれば良いか」について、役員育成プロセスの全体像を、当社がご提供できるサービスを通じて、ご紹介します。
ガバナンス強化に直結する役員の選任と育成を成功に導くプロセス ― 外部リソースの活用
【STEP1 選任】アセスメントで選任の根拠と育成方針を明確にする
役員選任では、候補者を客観的に見極めることと、その後の育成を見据えた判断が重要です。経験や実績、専門性は重要な判断材料ですが、それだけでは候補者の特性や潜在的なリスクを十分に把握できない場合があります。
アセスメント活用のメリット:
- 推薦・選任の透明性を高められる
- 客観的なデータを根拠として推薦理由を説明できる
- 将来の役員候補者プールを戦略的に構築できる
【STEP2 育成】eラーニングで役員に必要な基礎知識を体系的に学ぶ
候補者を選定した後は、就任前から役員として必要な知識を計画的に身につけることが重要です。
eラーニング活用のメリット:
- 時間や場所を問わず継続的に学習できる
- 就任前から役員として必要な基礎知識を習得できる
- 基礎知識を備えた役員による実効性の高い取締会づくりにつながる
【STEP3 実践】研修(公開講座)で意思決定力と実行力を高める
基礎知識を習得した後は、実際の経営課題を題材とした演習やケーススタディを通じて、実践力を磨いていくことが重要です。
例えばBDTIの公開講座『役員力強化研修』 は、以下のような講座で、役員に求められる意思決定力や戦略的な視点を養うことができます。(貴社向けのカスタマイズ研修のご提供も可能です。)
- 『ガバナンス塾(基礎)』 : ガバナンスの基礎とリスク管理を1日で集中的に学ぶ実践型講座
- 『ファイナンス塾(基礎)』 : 財務に不慣れな経営層向け。CFO視点で財務三表やIR資料を読み解き、企業価値の考え方を学ぶ
- 『社外取塾(中級)』 : 社外取締役に求められる役割や判断軸を、実務経験豊かな講師陣との対話を通じて学ぶ
- 『ケース・ロールプレイ(上級)』 :架空のケースをもとに取締役会の意思決定を体験し、リスク感度と判断力を磨く参加型研修
外部研修(公開講座)活用のメリット:
- 実践的な意思決定力を養える
- 異業種の参加者との議論を通じて視野を広げられる
- 取締役会に多様な視点と健全な緊張感を持ち込める
カスタマイズ研修活用のメリット:
- 自社の経営課題やガバナンス課題に合わせて内容を設計できる
- 役員・経営幹部間で共通言語・共通認識を形成できる
- 自社の実際の経営課題やケースを題材に、実践的な議論ができる
【STEP4 定着】現場での実践と継続的な改善サイクルを回す
役員育成は、研修を受講して終わりではありません。
アセスメント結果や研修で得た学びを実際の取締役会や経営の現場で実践し、フィードバックを通じて改善を重ねることで、役員としての能力は着実に高まります。
以上のように、役員育成を単発の研修で終わらせず、アセスメント・eラーニング・実践研修を組み合わせた継続的な育成プロセスとして設計することが重要です。
以上4つのステップを継続的に回すことで、
- 推薦・選任の透明性向上
- 候補者育成の早期着手
- 就任直後から活躍できる役員の育成
- 取締役会における議論の質の向上
を実現することができます。
こうした取り組みを継続することで、ガバナス強化を支える取締役会づくりにつながります。
【関連記事】
コーポレートガバナンス強化の基本的な考え方や取り組むべき施策と進め方のポイントについては以下の記事を参照ください。
【ご提案例】 企業規模×地域性のベストプラクティス
役員研修の必要性や仕組み化の方向性は理解できても、「自社の状況に当てはめるとどうなるのか?」と悩む担当者の方も多いでしょう。
ここでは、企業規模(大企業・中堅企業・中小企業)と地域性(首都圏・地方) を掛け合わせ、もし導入するならどのような形が考えられるかを提案例としてご紹介します。
大企業(首都圏)の場合:ガバナンスの高度化を求められる上場企業向けご提案
- 背景に想定される課題
国際的な投資家や株主から、取締役会の実効性を高めるよう要請されるケース。
推薦や選任の根拠を外部に説明できる透明性が不足しがち。 - 提案できる解決策
まずアセスメントで候補者資質を可視化し、推薦の根拠をデータで提示。
続いてeラーニングで法務・財務知識を補強し、さらに 公開講座(ケース・ロールプレイなど) で実践的な意思決定力を養成。 - 期待される効果
取締役会の議論の質が高まり、投資家対応にも説得力を持たせることができる。
中堅企業(地方)の場合:事業承継や次世代リーダー育成を見据えたご提案
- 背景に想定される課題
オーナー経営から次の経営フェーズへと移行する段階では、後継候補の「社内評価」と「外部からの信頼」の両立が課題となりがち。 - 提案できる解決策
アセスメントで候補者のリーダーシップ・スタイルやパーソナリティを客観的に把握。
eラーニングで会社法やガバナンスの基礎を学ばせ、さらに公開講座で異業種人材と交流し、幅広い視点を得る。 - 期待される効果
推薦プロセスの透明性を担保し、外部取締役や監査役からの信頼獲得につながる。
中小企業(首都圏・IPO準備中)の場合:ガバナンス体制を早期整備するご提案
- 背景に想定される課題
IPO審査に向けてガバナンス体制を整備する必要がある一方、役員候補者の経験不足。 - 提案できる解決策
eラーニングを活用し短期間で基礎知識を習得。
アセスメントで適性や課題を明確化し、さらに 公開講座(ガバナンス塾・ファイナンス塾など)で実践力を磨く。 - 期待される効果
IPO審査における「教育・ガバナンス体制の整備」をスムーズに進められ、上場後も継続的に育成を続けられる。
このように、企業の規模や地域によって直面する課題は異なりますが、「アセスメント+eラーニング+実践研修」を組み合わせた仕組み化は、どのケースでも有効に機能することが期待できます。
まとめ
ここまで見てきたように、役員の選任・育成は、企業価値向上を支える重要なガバナンス施策の一つです。
近年のコーポレートガバナンス・コード改訂では、経営戦略と人的資本戦略の連動やサクセッションプランの充実など、取締役会に求められる役割がさらに高度化しています。
こうした背景から、役員の選任・育成は、単に「人を選ぶ」「研修を実施する」といった個別施策ではなく、
- コーポレートガバナンスの実効性を高める
- 投資家や市場からの信頼を高める
- 経営の質を向上させ、企業価値の持続的な向上につなげる
ための重要な取り組みとなっています。
一方で、多くの企業では、
- 推薦・選任プロセスの客観性や透明性を十分に確保できていない
- 就任後の教育では遅く、候補者段階からの早期育成が必要
- 多忙な役員・役員候補者が学べる環境を整備できていない
といった課題も残されています。
本記事でご紹介したように、これらの課題は、
- アセスメントで候補者を客観的に見極める
- eラーニングで役員として必要な基礎知識を体系的に学ぶ
- 公開講座で実践的な意思決定力や戦略的視点を養う
- 現場での実践とフィードバックを継続する
というプロセスを組み合わせることで、より効果的に解決することができます。
当社では、この一連の役員選任・育成プロセスを支援するソリューションを提供しています。
- ホーガン・アセスメント
候補者のリーダーシップ・スタイルやパーソナリティを科学的に測定・可視化し、推薦や選任の透明性を高め、客観的な意思決定を支援します。
https://www.cicombrains.com/assessment/hogan_assessment.html
- BDTIeラーニング『取締役入門』
「会社法」「金融商品取引法」「コーポレートガバナンス(基礎編・実践編)」の4コースで構成。忙しい役員や候補者も、時間や場所を選ばず基礎知識を体系的に学ぶことができます。
- BDTI公開講座『役員力強化研修』
公開講座形式で、各講座、それぞれ単体でのお申し込みが可能です。役員として求められる意思決定力や戦略的視点を、ケース、ロールプレイや、講師との対話を通じて習得していくことができます。
- ガバナンス塾(基礎)
- ファイナンス塾(基礎)
- 社外取塾(中級)
- ケース・ロールプレイ(上級)
サイコム・ブレインズでは、貴社の課題や育成方針に合わせて、最適な育成プロセスをご提案いたします。役員候補者の選任基準を見直したい、候補者育成を体系化したい、あるいは実効性のある取締役会を実現したいとお考えでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
【ご参考】役員研修と教育に関する調査レポート
2015年6月1日に施行されたコーポレートガバナンス・コード(CGC)*1では、取締役・監査役のトレーニング提供と、その方針の開示を会社に求めています(原則4-14)。
また、東京証券取引所による「上場企業のコーポレートガバナンスの取組と効果に関する調査(2021年)」*2では、「議論の活性化」や「監督機能の強化」といった成果が見られる一方で、
- 中期経営計画やリスクマネジメントに関する“審議の質”の向上
- 株主等への説明可能性の向上
- 次期CEO等の育成促進・リスクテイク促進
については、十分な成果を実感している企業は多くないことが報告されています。
さらに、成果を上げている企業では、独立社外取締役の関与を高めるだけでなく、指名委員会等において経営幹部候補の選任や育成について継続的に議論・検討していることも示されています。
こうした結果からも、役員教育を単発の研修ではなく、選任・育成・フォローアップまでを含めた継続的なプロセスとして設計することの重要性がうかがえます。
[東京証券取引所による2021年の調査より 一部抜粋]*2
- 取締役会等での「議論の活性化」、独立社外取締役や委員会による「監督強化」の成果・効果がみられる
- 一方、中期経営計画等の戦略、リスクテイク/マネジメントなどに関する「審議の質の向上」の成果・効果の割合は高くない
- 「株主等のステークホルダーへの説明可能性の向上」については、ほとんどのテーマで成果・効果を実感している割合が低い
- 次期CEOなど経営陣幹部の「育成促進」や「リスクテイクの促進」についても、成果・効果を実感している割合は低い
また、指名委員会・報酬委員会等による監督機能については
- 成果として「監督機能の強化」を挙げる企業が多い一方、「経営陣幹部や幹部候補の育成促進」や「経営陣幹部のリスクテイクの促進」にまで結び付けられている企業は少ない
- 経営幹部候補の「育成促進」や「リスクテイクの促進」の成果を実現している企業の大半は、独立社外取締役の関与を高めていることに加え、委員である独立社外取締役に対し、選任対象となる候補者に関する情報提供を充実させることや「経営陣幹部の選任や幹部社員の育成に関することも検討・審議」 しており、こうした取り組みを通じて委員会の機能向上を図っている。
といったアンケート結果も出ています。
参照
*1: 株式会社東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード」(2021年)
https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/tvdivq0000008jdy-att/nlsgeu000005lnul.pdf
*2: 株式会社東京証券取引所「上場企業のコーポレートガバナンスの取組と効果に関する調査(2021年)」
https://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/tvdivq0000008jdy-att/nlsgeu00000604ri.pdf
*3: PWC「コーポレートガバナンスに関するアンケート調査」(2019年)
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/2019/assets/pdf/corporate-governance-survey-ec2019mar.pdf
金融庁・株式会社東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード改訂案」(2026年2月26日公表)
https://www.fsa.go.jp/news/r7/singi/20260721.html
■本記事の監修者■




