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新入社員研修のフォローアップ完全ガイド|時期別の進め方とAI教育の扱い方

新入社員研修は、入社時に一度実施して終わり、というものではありません。配属後、業務経験を重ねる中で、新入社員自身が入社時に学んだビジネスマナーやコンプライアンス、AIツールや情報の扱い方などについて「改めて確認したい」と感じる場面は少なくありません。

そこで有効なのが、新入社員研修 フォローアップです。本記事では、年間を通して無理なく実施できるフォローアップ研修の考え方と、最低限どのようなテーマをどの程度扱うのが現実的かを整理します。

あわせて、離職防止や早期育成につながる施策として、動画視聴やeラーニング、ライトなワークショップなど、すぐに導入しやすい活用例をご紹介します。

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目次[非表示]

  1. 1.今どきの新入社員フォローアップで重視したい考え方
  2. 2.フォローアップ研修は「時期」別に目的を分けると設計しやすい
  3. 3.フォロアップで扱いたいテーマ
  4. 4.AI教育はどこまで必要か
  5. 5.まとめ
  6. 6.MBK Wellnessのソリューション
  7. 7.FAQ

今どきの新入社員フォローアップで重視したい考え方

新入社員研修のフォローアップを考える際には、「入社直後研修を踏まえて、何を追加するか」だけでなく、1年を通して「どのようにかかわっていくか」という全体設計の視点が大切です。また、「手厚さ」を追い求めるよりも、「必要なタイミングで、適切な支援を届ける」ことが理想です。

入社時研修は「基礎作り」のスタートと捉える

入社時研修では、社会人として必要な基本を短期間で学びます。実務で使えるようになるまでには、一定の時間と経験が必要です。

入社時研修は「すぐに使える状態をつくる場」というよりも、その後の実務を通じて身につけていくための「土台づくり」と捉えると、フォローアップ研修の役割も明確になります。

OJTとフォローアップ研修を「補い合う関係」として考える

配属後はOJTが中心になりますが、ビジネスマナーやコンプライアンスのようなテーマは、現場や上司によって扱い方に差が出やすい領域です。フォローアップ研修は、同期との交流や不安の解消に加え、会社として共通して大切にしたい考え方や基準を確認する場として位置づけることで、現場での指導や判断を補完する役割を果たします。

一度に詰め込まず、「定期的に確認できる機会」として設計する

多くの内容を一度に学ぶよりも、必要なタイミングで振り返り、確認できる機会を設ける方が、理解や定着につながりやすくなります。入社後研修からフォローアップ研修までを効果的に設計することで、知識定着だけでなく、不安解消、ひいては早期離職の防止や自立的な成長の促進につながります。

フォローアップ研修は「時期」別に目的を分けると設計しやすい

新入社員研修のフォローアップは、一度きりで完結させる必要はありません。年間を通した流れとして捉えることで、「この時期なら、これくらいがちょうどいい」という設計がしやすくなります。

以下はあくまで4月同時入社の場合の一例です。参考にしていただければと思います。

  • 夏(入社後数か月):基本を改めて確認する

業務に少し慣れ始めたこの時期は、入社時に学んだ内容を落ち着いて振り返るのに適しています。ビジネスマナー、コンプライアンス、情報管理のルールなどを復習するようなフォローアップ研修がよいです。動画視聴やeラーニングなど、短時間で、学びたい社員が取り組める形式が良いでしょう。

  • 秋(入社後6か月頃):実務経験を踏まえて理解を深める

半年ほど業務を経験すると、「なぜそうするのか」を考えられるようになります。この時期は、実務を想定したケーススタディや簡単なワークを通じて、理解を一段深めるフォローアップ研修が効果的です。同期と悩みや課題を共有できるような、短時間のオンラインワークショップなどが良いでしょう。

人事・育成担当者にとっては、こうした場が、離職防止策の材料と直接的なフォローアップ、後半に控えたフォロアップ施策の見直しの好機となります。

  • 冬(入社後9か月頃):1年目の整理と期待役割を確認する

1年目の終わりが見えてくる冬は、これまでの学びや経験を整理するタイミングです。基本事項を振り返りつつ、「会社から期待される役割」や「2年目に向けた行動」を考える、フォローアップ研修を行うことで、次のステップへと導きやすくなります。

2年目以降のキャリアについての迷いや不安を抱く社員に対して、丁寧なフォローが必要な時期です。どのような対応できるか、2年目・3年目の先輩若手社員と連携するなど、事前に準備しておけると良いでしょう。

  • 春前(2年目直前):次年度につなげるための最終フォロー

2年目を迎える直前は、研修というよりも「育成施策」としてのフォローが有効です。上司や先輩との1on1面談、1年目の振り返りと今後の期待を共有する場を設けることで、不安を抱えたまま次年度を迎えることを防ぎ、前向きに2年目を迎えられるようになります。

▶図表 1:時期別「新入社員研修 フォローアップ」の目的とお勧め形式の例

時期

目的

扱う粒度の目安

お勧め形式

夏(入社後数か月)

入社時研修の内容を落ち着いて再確認し、安心して実務に接続する

基本の復習中心(短時間)

動画視聴/eラーニング(合計10〜30分×複数本)

秋(入社後6か月頃)

実務経験を踏まえ、理解を深める

ケーススタディ・対話を少し増やす

短時間ワークショップ/ケース討議

冬(入社後9か月頃)

1年目の整理と、期待役割の共有

振り返り・不安解消

集合研修+振り返りシート/ミニ発表

春前(2年目直前)

不安を残さず、2年目の成長を見通す

育成・キャリア開発

1on1/キャリア面談

年間設計の全体像を先に押さえると、内容も運営も「無理なく続く」形に整えやすくなります。

フォロアップで扱いたいテーマ

時期別の流れを踏まえた上で、フォローアップ研修で扱いたいテーマを整理します。フォローアップ研修で重視したいのは、実は「完璧に理解させること」ではなく、「安心して立ち止まり、確認できる機会をつくること」です。この姿勢が、新入社員の心理的安全性を高め、安心して行動し、成長していく土台となります。結果として、離職防止にもつながっていきます。

  • ビジネスマナー:型の「再確認」と「現場での迷い」の解消

入社時に学んだマナーも、実務に入ると「この場合はどうするのが適切か」と迷う場面が出てきます。フォローアップでは、基本の型を押さえつつ、実際の業務シーンを想定したケースで確認することが効果的です。形式を守ること自体が目的ではなく、相手や状況に応じて、なぜその対応が適切なのかを理解することが重要です。

実際に迷った場面を同期と共有して話し合ったり、講師や上司・先輩、教育担当者に相談したり、アドバイスを得られる時間を持てると理想です。短い動画や設問形式でも、実務への定着度は高まります。

  • コンプライアンス:暗記ではなく「なぜ守るのか」を腹落ちさせる

コンプライアンスは、知識として知っているだけでは不十分です。実際の現場では、明確な正解がないグレーな場面に直面することも多く、そのときにどう考え、どう行動するかが問われます。

フォローアップ研修では、

• なぜコンプライアンスが重要なのか
• 判断に迷ったとき、何を基準に考えればよいのか
• 一人で抱え込まず、誰に相談すればよいのか

といった「考え方」と「相談の仕方」を、実務と結びつけて理解することがポイントです。よくあるケースを題材に、「自分ならどうするか」を考えることで、不安を減らし、安心して判断・相談できる状態へと導くことができます。

  • AI教育:使い方よりも「使ってよい範囲」の共通認識をつくる

AIの活用が広がる中で、新入社員から

「業務で使ってもよいのか」
「どこまでなら問題ないのか」
といった質問が出てくるケースも増えています。

フォローアップ研修では、業務でAIを扱う際の基本的な考え方や注意点を共有することが重要です。

デジタルネイティブな世代だからこそ、情報の取り扱い、判断の最終責任の所在、活用してよい場面・避けるべき場面など、最低限の共通理解を持つことが、新入社員の不安を減らし、適切な活用につながります。

AI教育はどこまで必要か

新入社員研修のフォローアップとして、AI教育をどこまで扱うべきか悩まれてきた企業も多いかもしれません。しかし現在では、AIの活用は一部の先進企業だけの話ではなく、業務に欠かせない前提になりつつあります。だからこそ、フォローアップ研修の中で、AIとの向き合い方を整理しておくことが重要です。

  • 使用ルールは「必須の前提」としてそろえる

社員として知っておくべきAIツールの使用ルールは、フォローアップ研修の中で必ず押さえておきたいポイントです。

どのような情報を入力してよいのか、生成結果をどのように扱うのか、最終的な判断責任はどこにあるのかといった業務で使う際の考え方とリスク理解は、もはや基本事項です。

実務を経験した後であれば、AI活用の是非や注意点も自分ごととして捉えやすく、その意味でAI教育は新入社員研修フォローアップのテーマとして非常に相性が良い領域です。

  • AI活用を前提に、業務の任せ方・期待を見直す

これからの時代、AIの活用は特別なスキルではなく、業務を進めるための基本的な手段になっていきます。また、重要なのは、AI教育よりも、

・どの業務をAIに任せられるのか
・新入社員には何を経験させ、何を考えてもらいたいのか

といった、会社側や現場が取り組むべき、業務の再整理と期待役割の見直しです。新人がAIを使って定型業務を効率化できるようになり、AIをパートナーとして業務を遂行できようになれば、その分、人にしかできない業務にさらに時間を使えるようになります。AIを使いこなせる新入社員を先輩・上司がどのようにマネジメントし、業務を采配していくか、といったことがこれからの重要課題となるはずです。

  • 会社としてのスタンスを示し、提案を活かす

AIの活用について、何の指針も示さずに使わせることはリスクになります。フォローアップ研修では、会社としてのスタンスと基本ルールを改めて共有することが欠かせません。

その上で、デジタルネイティブな新入社員だからこそできる業務改善や効率化の提案を歓迎する姿勢を示せば、会社への貢献意欲を高めるきっかけにもなります。

注意したいのは、提案に対する検討結果をきちんと共有することです。ここが曖昧になると、不信感や不満につながり、結果として離職要因になってしまうこともあります。

▶図表2: 新入社員フォローアップにおけるAI教育の整理

フェーズ(段階的教育の例)

ねらい

フォローアップ研修で扱う内容(例)

全社共通

安心して使える状態をつくる

入力してよい情報/避けるべき情報、生成物の扱い方、最終的な判断責任、迷ったときの相談先

業務での基本活用

AIを業務の一部として定着させる

使ってよい業務例(要約・下書き・調査補助など)、使う際の注意点、部門別ユースケース

発展的な活用

業務改善・生産性向上につなげる

業務プロセスの見直し、プロンプト演習、社内ルールの運用改善(現場連携)

まとめ

新入社員研修のフォローアップは、「何かを追加する研修」というよりも、1年目を通して新入社員の成長を無理なく支えるための設計として考えると、継続しやすくなります。重要なのは、手厚さではなく、必要なタイミングで適切な関わりを持つことです。
そのためのポイントを整理すると、次の4つが挙げられます。

  • 年間の流れを意識し、夏・秋・冬・春前と段階的にフォローする

  • フォローアップのテーマは、ビジネスマナー/コンプライアンス/AI教育を軸に考える

  • 完璧な理解を求めすぎず、確認や相談、同期との交流ができる場を設計する

  • AIは、使ってよい範囲と会社としてのスタンスをそろえるところから始める

フォローアップ研修を小さく始めるのであれば、まずは動画視聴やeラーニング、チェックリストなど「いつでも立ち返って確認できる場」の提供や、同期との交流や不安を解消できるような場を用意するところから始めましょう。
現状整理やフォローアップ研修の設計について検討を進める中で難しさを感じられた場合は、当社のコンサルタントがご支援いたします。どうぞお気軽にご相談ください。

MBK Wellnessのソリューション

【研修プログラム】

【進化系eラーニング「コースウエア」】

自学自習で実務に使える力が身につく、目標達成型のeラーニング教材です。

【パッケージプログラム「まなラン」】

動画+短時間のワークショップで、受講者同士で学び合いながら、知識・スキルの理解と習得度合いを高めます。

【映像教材】

見放題のID購入、個別の動画レンタルも可能です。お気軽にお問い合わせください。

【映像教材の受託開発】

サイコム・ブレインズでは、オンライン配信による映像を中心に、効率的な教育・研修を実現するためのオリジナル教材の受託開発サービスを提供しています。サイコム・ブレインズの20年以上にわたる企業研修の経験・知見を活かして、教材の制作だけでなく現場での活用、学習内容の実践と定着までを一貫して支援します。

FAQ

Q1. 新入社員研修のフォローアップは、集合研修で行う方が良いですか?

必ずしも集合研修にする必要はありません。むしろ、動画視聴やeラーニングで「短時間で確認できる場」を用意し、必要に応じて短いワークショップや相談会を組み合わせる方が継続しやすい場合もあるでしょう。目的に合わせて形式を選ぶのが現実的です。

Q2. 離職防止につながるフォローアップのポイントは何ですか?

知識の再確認だけでなく、「不安や疑問を言語化できる場」「同期と話せる場」「困ったときの相談先が明確になる場」にすることがポイントです。研修の中で“何でも相談してよい”空気をつくることが、早期離職の予防につながります。現実的です。

Q3. フォローアップ研修は年に何回が適切ですか?

一律の正解はありませんが、時期別に目的を分けて、図表1を参考にしていただきながら、自社の状況に合わせて必要かつ現実的な回数と内容を設計することが大切です。まずは「夏の再確認+春前の面談」など、少ない回数から始めることをお勧めします。

Q4. ビジネスマナーは入社時にやっているのに、なぜフォローアップが必要ですか?

実務に入ると、マナーは「ケースで迷う」ことが増えます。型を覚えていても、相手・状況に合わせた判断が必要になるためです。フォローアップでは、よくある場面を題材に「こういう時はどうする?」を確認できるだけでも、配属先で安心して行動しやすくなります。

Q5. AI教育は新入社員にどこまで教えればいいですか?

フォローアップでは、まずは「入力してよい情報/ダメな情報」「生成物の扱い」「最終責任」「相談先」など、最低限の共通理解を揃え、自社の状況に合わせ、教育のレベルとスピードをはかるのがおすすめです(図表2参照)。

Q6. 新入社員向けのコンプライアンス研修はどう設計すればよいですか?

細目を暗記させるのではなく、「なぜ守るのか」「迷った時の考え方」「相談の仕方」を理解するために、ケースを1〜2本使うと、自分事化しやすくなります。困った時の相談の仕方の例と相談先をセットで明確に伝えるようにしましょう。

■本記事の監修者■

ビジネスマスターズ・マーケティングチーム
ビジネスマスターズ・マーケティングチーム
教授システム学修士であり、eラーニングシニアコンサルタントであるデジタルラーニング事業部門長 花木喜英率いるビジネスマスターズ・マーケティングチーム。企業研修登壇実績10年以上・年間100本以上をこなすサイコム・ブレインズ/プログラムディレクター 小西功二とメンバー3名で、企業とビジネスパーソン双方が利を得る教材開発をコンセプトに、学術理論を徹底研究し開発されたビジネスマスターズを、世に広めるべく尽力しています。

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