
管理職に必要なスキルとは?育成・評価基準を人事戦略と連動させる考え方
近年、多くの企業で管理職に求められる役割が大きく変化しています。従来のように現場の業務管理や目標達成だけでなく、多様な人材の活躍支援や組織変革の推進、後継者育成など、より高度で複雑なマネジメントが求められるようになりました。
一方で、管理職の評価基準や育成制度については、過去に整備した仕組みを継続的に運用している企業も少なくありません。
その結果、以下のような課題が生じるケースも見られます。
現在の経営方針や事業戦略と、管理職に求める役割・スキルが十分に整合していない
評価と育成が連動せず、管理職候補者の計画的な育成につながっていない
管理職像や期待役割の解釈が部門ごとに異なり、人材育成の方向性が部門ごとにばらついている
特に、管理職候補層の不足やベテラン管理職の退職が進む企業では、将来の組織運営を担う人材を継続的に輩出するための「人材パイプライン」の強化が重要なテーマとなっています。その実現には、管理職に求めるスキルを明確化し、人事・人材戦略と連動した育成・評価の仕組みを整備することが欠かせません。
そこでこの記事では、管理職に求められるスキル要件や評価基準の考え方を整理するとともに、人材パイプライン強化の観点も踏まえながら、企業の持続的成長につながる人事戦略と連動した育成のポイントを解説します。
目次[非表示]
管理職育成におけるスキル整理の重要性
管理職育成を効果的に進めるためには、まず「自社において管理職に何を期待するのか」、期待する役割を明確にする必要があります。企業の経営戦略や事業環境の変化に応じて、管理職に求められる役割も変化するためです。
多くの企業では、管理職に求める役割や評価基準を制度として整備しています。しかし、制度設計から時間が経過するなかで、現在の事業課題や組織課題との間にギャップが生じるケースも少なくありません。その結果、管理職育成の方向性が現場ごとに異なったり、評価と育成が十分に連動しなかったりする課題が生じることがあります。
また、近年は、急速かつ多様な時代の変化により、管理職に求められる役割が高度化・複雑化しています。従来のように、自ら成果を上げるプレイヤー型の管理職だけでは、組織全体の成長を支えることが難しくなっています。これからの管理職には、部下の育成やエンゲージメント向上、部門横断での連携推進、変革の推進など、より幅広い役割が求められています。
そのため、評価と連動した効果的な管理職育成を実現するためには、求める管理職像をあらためて整理し、期待する役割を果たすために必要な行動や能力を「スキル」として整理することが重要です。スキル要件を明確にすることで、管理職に期待する役割の解像度が上がり、育成の方向性を組織全体で共有しやすくなります。
▼理職育成におけるスキル整理の重要性(Before/After)

さらに、スキル要件を共通言語として整備することは、将来の管理職候補者を計画的に育成するための基盤にもなります。人材パイプラインを強化し、継続的に次世代リーダーを輩出していくためにも、管理職に求めるスキルを明確に定義することが重要です。
▼求める管理職像を育成施策へ落とし込むまでのプロセス

なお、スキル定義については、厚生労働省の「職業能力評価基準」などの外部指標もあります。参考になさってください。
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管理職に必須となる3つのスキル
大企業では、組織規模が大きく、関係者も多岐にわたるため、管理職には現場業務の管理だけでなく、組織運営や人材マネジメントまで含めた幅広い役割が求められます。そのため、管理職に期待する役割を明確にし、それを支えるスキルを体系的に整理することが重要です。
管理職に必要なスキルは企業によって異なりますが、多くの企業で共通して求められる能力要件は、大きく次の3つに整理できます。
▼管理職に必要な3つのスキル

意思決定を支える「ビジネススキル」
ビジネススキルとは、自社の経営戦略や事業方針を理解し、組織成果につながる意思決定を行うために必要な能力要件です。
管理職に求められる主なビジネススキルには、以下のようなものがあります。
能力要件 | 概要 |
|---|---|
経営視点 | 組織全体の成果や事業への影響を踏まえて判断する力 |
戦略理解 | 経営方針や事業戦略を理解し、現場へ落とし込む力 |
意思決定力 | 複数の選択肢から最適な判断を行う力 |
例えば製造現場で生産性低下が発生した場合、管理職には人員配置や業務フロー、設備稼働など複数の要因を分析し、短期的な改善策だけでなく中長期的な視点で判断することが求められます。
また、経営方針を現場へ落とし込み、組織全体の実行力を高めることも重要な役割です。そのため、ビジネススキルは管理職が組織成果を生み出すための土台となる能力要件といえます。
人を動かす「ヒューマンスキル」
ヒューマンスキルとは、部下や関係者との信頼関係を構築し、多様な人材の力を引き出しながら組織成果につなげるために必要な能力要件です。
管理職に求められる主なヒューマンスキルには、以下のようなものがあります。
能力要件 | 概要 |
|---|---|
対話力 | 相手を理解し、信頼関係を構築する力 |
コーチング力 | 対話を通じてメンバーの成長を支援する力 |
合意形成力 | 関係者の納得を得ながら物事を前進させる力 |
近年は働き方や価値観が多様化しており、一律のマネジメントでは十分な成果を引き出すことが難しくなっています。そのため管理職には、メンバー一人ひとりの考え方や状況を理解し、適切な関わり方を選択することが求められます。
また、部門内外の関係者と連携しながら組織を前進させるためには、対話を重ねて信頼関係を築き、合意形成を図ることも重要です。ヒューマンスキルは、人を通じて成果を生み出す管理職にとって欠かせない能力要件といえるでしょう。
先行き不透明な時代を生き抜く「変化対応力」
変化対応力とは、環境変化を柔軟に受け入れながら、新たな価値を創出し、組織を前進させるために必要な能力要件です。
管理職に求められる主な変化対応力には、以下のようなものがあります。
能力要件 | 概要 |
|---|---|
学習志向 | 新しい知識や考え方を継続的に学ぶ姿勢 |
柔軟性 | 状況の変化に応じて考え方や行動を変える力 |
メタ認知力 | 自身の思考や行動を客観的に捉え、状況に応じて軌道修正できる力 |
技術革新や市場環境の変化が加速するなか、管理職には過去の成功体験だけに頼るのではなく、新しい知識や価値観を積極的に取り入れる姿勢が求められます。
また、不確実性が高い状況では、自身の思い込みや固定観念に気づき、状況に応じて判断や行動を修正することも重要です。変化対応力は、組織変革を推進し、変化の激しい時代において組織を持続的な成長へ導くための重要な能力要件といえるでしょう。
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▼リーダー層の採用・選抜・登用・育成に使えるホーガンアセスメント(Hogan Assessment)
管理職のヒューマンスキルや変化対応力を高めるためには、自身の行動特性やリーダーシップスタイルを客観的に把握し、自己理解を高めることが効果的です。
サイコム・ブレインズでは、Fortune500企業の75%以上が活用するアセスメント「ホーガンアセスメント(Hogan Assessment)」を提供しています。
管理職や次世代リーダーの選抜・育成、リーダーシップ開発への活用はもちろん、変化の大きい環境で求められる自己認識力の向上にも役立つアセスメントです。
人事・人材戦略と整合させた管理職の育成と評価
管理職育成では、求めるスキルや役割を整理するだけでなく、人事・人材戦略や評価制度と連動させることが重要です。育成方針と評価基準に一貫性があることで、管理職自身も期待される行動を理解しやすくなり、学習内容の実践や能力開発につながります。
ここでは、経営方針と連動した育成計画の立案と、透明性の高い評価基準の整備について解説します。
▼経営方針から管理職育成、評価までの体系化と好循環のイメージ

経営方針と連動した育成計画の立案
管理職育成の目的は、経営戦略の実現を支える人材を育成することにあります。そのため、育成計画を検討する際は、まず経営方針の実現に必要な管理職像を明確にすることが重要です。
例えば、新規事業の拡大を目指す企業であれば、変化を恐れず挑戦を促す管理職が求められます。一方で、品質や安全性を競争優位の源泉とする企業であれば、現場の規律を維持しながら継続的な改善を推進できる管理職が重要になるでしょう。
このように、管理職に求められる役割は企業の戦略や事業環境によって異なります。そのため、経営方針から求める管理職像を定義し、必要なスキル要件や育成テーマへ落とし込むことが、効果的な育成計画の第一歩となります。
評価基準の明確化と運用
どれほど体系的な育成施策を整備しても、習得したスキルや行動が評価制度と連動していなければ、現場への定着は難しくなります。そのため、管理職に求める役割や能力要件を明確にしたうえで、それらを評価基準へ落とし込み、一貫して運用することが重要です。
また、評価基準を適切に運用するためには、評価者の主観や経験則だけに依存しない仕組みづくりも欠かせません。例えば、「リーダーシップがある」「マネジメント力が高い」といった抽象的な評価項目だけでは、評価者によって解釈が異なり、評価結果にばらつきが生じる可能性があります。そのため、期待する行動や能力要件を具体的に定義し、評価者研修や評価者同士のすり合わせを通じて判断基準を統一していくことが求められます。
なお、評価や育成計画の客観性を高める手段として、アセスメントを活用する方法もあります。例えば、サイコム・ブレインズが提供する『経営リテラシーテスト』では、経営戦略・マーケティング・会計など、経営に関する知識や理解度を可視化できます。
これにより、管理職や管理職候補者の理解度を領域ごとに確認し、追加学習が必要なテーマを整理する際の参考になります。
また、リーダーシップスタイルや行動特性、変化対応時に表れやすい傾向を把握するには、『ホーガンアセスメント(Hogan Assessment)』のようなアセスメントを活用する方法もあります。目的に応じてアセスメントを使い分けることで、育成計画や研修テーマの設計、1on1やコーチング、配置・登用判断の参考にしやすくなります。
評価基準の明確化と評価者間の認識統一、そして客観的なデータ活用を組み合わせることで、評価制度の納得感や運用の一貫性を高めることにつながります。
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体系的な管理職育成を実現する研修・学習手法
「管理職向け研修を実施しているにもかかわらず、期待した成果につながらない」と感じている企業は少なくありません。その背景には、中長期的な育成計画との接続が十分に見直されないまま、個別課題に応じた研修施策が積み上がっているケースがあります。
例えば、部下育成に課題があればコーチング研修を実施し、組織変革が必要になればリーダーシップ研修を導入するといった対応です。こうした施策自体は有効ですが、単発で終わってしまうと、管理職に求められるスキルを実務で発揮できるレベルまで定着させることは容易ではありません。
また、多くの管理職は日々の業務に追われており、学習時間を十分に確保することが難しいという課題もあります。そのため、研修を実施するだけでなく、継続的な学習と実践を支援する仕組みを整備することが重要です。
そこで本章では、管理職育成を効果的に進めるための学習手法や学習設計の考え方について解説します。
▼管理職育成に必要な学習要素

管理職育成では知識の習得だけを目的とするべきではありません。管理職に求められるのは、学んだ内容を実際のマネジメント行動に反映し、組織成果につなげることです。そのためには、知識のインプットに加え、自身の考え方や行動を振り返る機会を設けながら、意識改革や行動変容を促す学習設計が必要になります。
▼組織成果の向上につながる学習設計

育成計画・学習機会・実践機会・振り返りを一連の流れとして設計することで、管理職一人ひとりの成長を促進し、組織全体のマネジメント力向上につなげることができるでしょう。
▼体系的な育成により期待できる効果

階層・課題に応じた実践的なプログラムの活用
管理職育成の成果を高めるためには、管理職の階層や直面する課題に応じて学習機会を設計することが重要です。新任管理職と上級管理職では求められる役割が異なるため、必要な知識やスキルも変わります。
例えば、管理職の階層ごとに求められるテーマは以下のように異なります。
階層 | 主な学習テーマ |
|---|---|
新任管理職 | 部下育成、目標管理、評価面談などマネジメントの基礎 |
中堅管理職 | 部門間連携、課題解決、組織運営 |
上級管理職・経営幹部 | 戦略立案、変革推進、経営視点での意思決定 |
また、管理職研修では知識の習得だけでなく、実務に近い状況で考え、判断する機会を設けることも重要です。ケーススタディやディスカッション、アクションラーニングなどを取り入れることで、学んだ内容を実務へ応用しやすくなります。
さらに、自社の事業環境や組織課題に即したテーマを扱うことで、受講者は学習内容を自分事として捉えやすくなります。実際のマネジメント課題に近いテーマで学習と実践を繰り返すことが、行動変容や組織成果の向上につながります。
管理職育成では、階層や課題に応じた学習テーマを設定するだけでなく、学習と実践を継続的に結びつける仕組みづくりも欠かせません。近年では、eラーニングやワークショップ、実践演習などを取り入れながら、学びの定着と行動変容を促進するプログラムも活用されています。
以下の図は、管理職育成における学習サイクルの一例です。知識の習得だけで終わらせず、実践や振り返りを繰り返すことで、行動の定着と継続的な成長につなげていきます。
▼管理職育成における学習サイクルのイメージ

サイコム・ブレインズでは、管理職育成に活用できるオリジナル教材や学習プログラムを提供しています。詳細は以下の資料をご覧ください。
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多忙な管理職層に適したデジタルラーニングの導入
管理職育成の必要性を認識していても、「学習時間を確保できない」という課題を抱える企業は少なくありません。特に近年は、プレイングマネジャー化や業務の複雑化により、管理職に求められる役割が拡大しています。
こうした課題への対応策として注目されているのが、eラーニングをはじめとするデジタルラーニングです。時間や場所を選ばず学習できるため、多忙な管理職でも自分のペースで継続的に学習を進めることができます。また、必要なテーマを必要なタイミングで学べることから、実務上の課題と学習内容を結びつけやすい点も特徴です。
サイコム・ブレインズでは、『ビジネスマスターズ®』を通じて、動画見放題サービスや動画教材のレンタル、パッケージプログラム、LMS(オンライン学習プラットフォーム)など、企業の人材育成ニーズに応じたさまざまなデジタルラーニングサービスを提供しています。マネジメントやリーダーシップ、戦略、DX、人的資本経営など、管理職に求められる幅広いテーマを扱っており、目的や対象者に応じた学習環境を構築できます。
また、集合研修や実務経験と組み合わせることで、知識習得だけでなく実践への活用も支援できます。人事戦略や育成計画と連動させながら活用することで、継続的な管理職育成を実現しやすくなるでしょう。
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管理職育成を支える『ビジネスマスターズ®』
大企業では、対象人数の多さや拠点分散、階層ごとの課題の違いから、管理職育成を全社で統一的に運用することが容易ではありません。
また、集合研修だけでは学習機会が限定されるため、継続的な学習や実務への定着に課題を感じる企業も少なくありません。そのため近年は、集合研修とデジタルラーニングを組み合わせた育成施策が広がっています。
サイコム・ブレインズの『ビジネスマスターズ®』は、450以上の映像講座に加え、テキスト・演習・確認テスト付きのeラーニングや、オンラインAIコーチングを活用したプログラムも提供しています。管理職に求められる知識やスキルを体系的に学べるだけでなく、研修運営の効率化や継続学習の促進にも役立ちます。
以下では、『ビジネスマスターズ®』を活用したお客さまの事例をご紹介しています。自社の管理職育成施策を検討する際の参考としてご覧ください。
▼『ビジネスマスターズ®』事例紹介
まとめ
この記事では、管理職に必要なスキルについて以下の内容を解説しました。
管理職育成におけるスキル整理の重要性
管理職に必須となる3つのスキル
人事・人材戦略と整合させた管理職の育成と評価
体系的な管理職育成を実現する研修・学習手法
管理職育成を支える『ビジネスマスターズ®』
管理職に期待する役割や必要なスキル要件が現在の経営方針・事業環境と十分に整合していないと、育成施策や評価基準に一貫性を持たせることが難しくなります。また、研修内容と現場で求められる行動、評価・登用の基準が結びついていないと、管理職候補者の育成や登用が計画的に進みにくくなり、将来の事業成長を支える人材パイプラインの強化にも影響します。
重要なのは、自社の経営戦略や人事・人材戦略を起点に、「自社にとって必要な管理職像」を明確にし、求めるスキルを整理することです。そのうえで、サイコム・ブレインズが提供するような階層別研修や、多忙な業務の合間でも学習可能な『ビジネスマスターズ®』、アセスメントなどのツールを活用し、育成・評価・配置・登用が連動した体系的な仕組みを構築する必要があります。
管理職育成は、個々の管理職のスキルアップにとどまるものではありません。経営方針を現場で実現し、組織の成果を高め、将来の経営人材を育てるための重要な取り組みです。
人的資本経営への注目が高まるなか、管理職に求められる役割は今後さらに高度化・多様化していくことが予想されます。だからこそ、自社に必要な管理職像を明確にし、育成・評価・配置・登用を一体的に設計していくことが、持続的な成長を支える人材基盤の構築につながるといえるでしょう。
▼管理職の成長と組織力の向上を実現するための体系図

管理職育成について具体的に検討したい方へ
サイコム・ブレインズでは、階層別研修やアセスメント、人材育成のさまざまな課題解決に答えるデジタルラーニングサービス『ビジネスマスターズ®』を通じて、各企業の戦略方針や育成課題に応じた管理職育成を支援しています。
以下の記事では、管理職研修で扱われやすいテーマや、育成サービスを選ぶ際の考え方を、各資料では450以上の映像講座や、さまざまなデジタルラーニングツールなどについて紹介しています。貴社の育成施策をご検討いただく際の参考になれば幸いです。
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サイコム・ブレインズのデジタルラーニングサービス『ビジネスマスターズ®』
成果を生み出し、変化を起こすビジネスパーソンのための、実践力を育てるデジタルラーニング『ビジネスマスターズ®』の総合カタログです。目的に応じて選べる全サービスラインアップをご紹介しています。
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FAQ
Q1. 管理職に必要なスキルには、どのようなものがありますか?
A.管理職に求められるスキル要件を3つに分類すると、意思決定や課題解決を支える「ビジネススキル」、部下や関係者を動かす「ヒューマンスキル」、不確実な環境に対応する「変化対応力」が挙げられます。詳細は本文の「管理職に必須となる3つのスキル」の章をご覧ください。
Q2. 管理職育成でよくある課題は何ですか?
A.「自社に必要な管理職像の見直しが十分でない」「研修が実務や行動変容につながらない」「学習時間が確保できない」「育成と評価が連動していない」ことです。特に、事業環境や組織課題が変化するなかで、「現在の管理職にどのような役割を期待するか」「そのために必要な能力要件は何か」が整理されていないケースも少なくありません。その結果、部門や評価者ごとに重視する観点が異なり、育成内容や評価運用にばらつきが生じたり、次世代人材の育成が計画的に進まなかったりすることがあります。
Q3. 管理職育成でまず取り組むべきことは何ですか?
A.まず取り組むべきことは、自社における「管理職像」を明確にすることです。管理職に期待する役割が十分に整理・共有されていない場合、研修内容や評価基準に一貫性を持たせることが難しくなります。
経営方針や人事・人材戦略を踏まえ、新任管理職、中堅管理職、上級管理職など、階層ごとに求める役割やスキル要件を整理することが、体系的な育成の出発点になります。
Q4. 管理職育成では、なぜ評価制度との整合が重要ですか?
A.管理職が「何を期待されているのか」を理解しやすくするためです。
例えば、部下育成や組織運営の重要性を研修で学んでいても、評価では短期成果ばかりが重視される場合、管理職自身も何を優先すべきか判断しづらくなる可能性があります。
そのため、管理職に期待する役割を整理したうえで、育成内容と評価観点の方向性をそろえていくことが重要になります。
Q5. 管理職の評価基準はどのように設定すればよいですか?
A.「リーダーシップがある」「マネジメント力が高い」といった抽象的な表現だけでは、評価者によって判断がばらつきやすくなります。そのため、期待する行動や成果を具体化するとともに、経営方針や人事戦略との整合性を確保し、評価者研修や評価者同士のすり合わせを通じて運用ルールを統一することが重要です。
Q6. 管理職研修を実施しても効果が出にくいのはなぜですか?
A.管理職研修の効果が出にくい理由として、研修が単発で終わっていること、現場課題と学習内容が結びついていないこと、育成内容と評価基準が連動していないことが挙げられます。
研修で学んだ行動が評価されない場合、受講者は現場で実践する動機を持ちにくくなります。研修を成果につなげるためには、学習機会だけでなく、実践、振り返り、評価、配置・登用までを一体的に設計することが重要です。
Q7. 管理職育成でデジタルラーニングを活用するメリットは何ですか?
A.時間や場所に制約されず学習できるため、多忙な管理職でも学習機会を確保しやすくなります。また、集合研修後の振り返りや、必要なテーマの学び直しにも活用しやすい点がメリットです。
Q8. 多忙な管理職に継続的に学んでもらうにはどうすればよいですか?
A.多忙な管理職には、集合研修だけでなく、eラーニングや動画学習などのデジタルラーニングを組み合わせることが有効です。
時間や場所を選ばず学習できる環境を整えることで、業務の合間にも継続的に学ぶことができます。また、学習テーマを実務課題や評価指標と結びつけることで、知識習得にとどまらず、現場での行動変容につなげやすくなります。
Q9. 管理職育成にアセスメントはどのように活用できますか?
A.アセスメントは、管理職や管理職候補者の強みや課題を客観的に把握するために活用できます。本人や上司の主観だけでは見えにくい課題や特性を可視化することで、育成計画の精度を高めたり、1on1やコーチング、配置・登用判断の参考にしたりすることが可能です。特に管理職の変化対応力やリーダーシップ開発においては、自己理解を深める手段として有効です。
Q10. 管理職育成を人事戦略と連動させるには、何が重要ですか?
A.管理職育成を人事戦略と連動させるためには、育成施策を単独の研修として捉えるのではなく、採用、配置、評価、登用、キャリア開発と結びつけて設計することが重要です。
経営戦略の実現に必要な管理職像を定義し、その人材像に基づいてスキル要件、研修体系、評価基準を整備することで、組織全体で一貫した人材マネジメントを実現しやすくなります。



